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シアター・プノンペン

2014|監督:ソト・クォーリーカー


元女優の母が出演していた映画を完成させようとする娘。

戦争の色々で精神を病んでしまった母を元気づけようとしたり、若かりし母の恋を知ってさり気なく応援したくなるという娘心はよくあるパターンなのだけど、家出するくらい分かり合えないと思っていた(嫌っていた)父親を理解するようになる、というところにとにかく胸打たれた。父の一途な片思いと、彼女の愛する男性を殺めなければならなかった自分を責め続ける気持ち…背後には戦争という個人の力ではどうしようも対抗できない理由もあり、誰にも言えなかった苦しみが彼を傲慢な性格にしていたのだと、娘は知ることになる。戦争で引き離された恋はたくさんあるが、戦争で叶えられた想いのどうしようもない敗北感も、切なさが半端ではない。父だけでなく、母をずっと愛し続けていた別の男性の存在もおり、娘はそれぞれを受け止めて長い想いを素晴らしい形で終結させる。主人公は「娘」だが、男性目線のラブストーリー好きな私にとって、いい映画だった。作り手の想いがたくさん詰まった映画だからモチーフが大盛りにはなっているけれど、そこはご愛嬌。突っ込みどころ以上に心揺さぶるシーンがたくさんある。