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風櫃(フンクイ)の少年

1983|監督:侯孝賢


居心地の悪い地元でくすぶっている少年たちが、ツテを頼りに都会に出て行く。

大人達にブツブツ言われれば嫌な気持ちにもなる。だけど地元には心から信頼し合っている、何でも話せる仲間達がいる。仲間との絆の大切さをわかっている様子はまだないが、その後の人生でこんなにも深い絆を感じられるような出会いは、もうないかもしれない。大人達に理解されずイラだつ少年達ではあるが、擦れてはおらず、むしろ純朴さが感じられる。都会では、騙されたり利用されたりしてしまうのだ。
特に印象的だったシーンは、映画チケットを騙されて買ってしまい案内された場所だ。そこは映画館ではなく、廃墟のようなスペース。窓ガラスが入るであろう大きな四角い枠から見る景色が美しいだけで、がらんどうだった。...その映像美には言葉を失う。同時に、四角いフレームをいつも意識している人でないとこの場面を撮れないと思うし、こういうアイデアは浮かばないのでないかと思った。侯監督の類稀なる感性には脱帽である。また、その美しさと彼らの愕然とした心のアンバランスさが、妙に魅力的でもあった。
片想い、親の死、ずっと一緒にいられると信じてた友人との別れ…大人への階段は、案外長い。


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