馬々と人間たち

2013|監督:ベネディクト・エルリングソン


馬の瞳に映る世界。

第三者として見ると、単純に「映像がキレイ!」と思ってしまうのだが、アイスランドは厳しい自然に囲まれている場所である。美しい女性も気が強く、たくましくないと生きていけない。男たちも自分の希望を貫くため、傲慢に生きているように見える。そんな人間たちと共存する馬々は実に無垢な生き物だ。馬たちの大らかさに、人々が救われているんじゃないかとさえ思う。
だが、言語を持たない動物にも心がある。人間と直接語り合うことはないが、何も考えていないわけではない。馬にも思いや気持ちがあって、人間の言葉なんか見事にスルーされてしまうことも。その可愛らしさにちょっとキュンとしたり、人間には分かり得ない馬社会とかルールもあるんだろうな…と思ったりした。
分かり合えることが全てではない。分かり合えないものたちとの関わりが、むしろ人間たちの暮らしを彩り、イキイキとした時を紡ぎ出してくれている。素朴だが生活の中に息づく馬と人間の関係を客観的に見ることができる映画である。

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