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Cinemarble

ミニシアター系映画の感想

ひつじ村の兄弟

アイスランド映画

2015|監督:グリームル・ハゥコーナルソン|アイスランドデンマーク


兄弟の確執。

40年も口をきかない理由は明らかにされなかったのだが、近しい人とのわだかまりに案外大した理由はないのかもしれない。序盤では理解し合えない兄弟の姿が描かれているが、ある出来事がきっかけで弟が兄を頼るようになり、最後は兄がしっかりと弟を抱きしめることになる。
それぞれが牧羊を営み、ふたりとも独身で別々の家に住んでいる。会話もなく(用があれば犬にメッセージを持たせる…)、理解し合えるようになるとは全く思えないのだが、倒れたりすれば面倒を見るのは結局肉親だし、法的な家の問題も自分だけでなんとかなるものではない。中盤までは傲慢な兄に弟が手を焼いているように見えたが、弟も完璧な聖人ではなかった。
これはもう一度観たい映画。最初は不条理を描いた作品かと思ったけれどそうではなく、あたたかさにぐんぐん引き込まれるタイプの作品だ。女っ気がなく感情表現の不器用な男たちが、心から羊を愛し守ろうとする姿や、実は兄弟が同じ気持ちを持っていたこと、確執を越えた兄弟愛などが感じられ、胸が熱くなる秀作。

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