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シャモルおじさん 灯りを消す

2012|監督:シュモン・ゴーシュ|ベンガル語


日中も街灯が煌々と照らされていることに憤慨し、灯りを消すためひたすら説得に回るおじさん。

日本人の私からすると、インドには寒いイメージがない。だから「インドの冬」が感じられるこの映画は、ちょっと新鮮な作品である。外に出る時のシャモルおじさんは、まるで銀行強盗のような(?)ニット帽を頭からスッポリとかぶり、大判のストールをグルグルと体に巻きつけている。(足元はビーチサンダルだけど…)家の中や街の様子がリアルな感じなのもいい。
映画の中で一番気に入ったのは、思いが叶った時のシャモルおじさんの表情だ。本当に約束通りに灯りが消えるのか朝まで街でじっと待ち続け、灯りが消えたことを実感した瞬間、杖を捨てて立ち上がる。思わずスキップし、踊り出し、ストールを投げ捨てるシャモルおじさんの可愛らしさ、ったら! 人の喜びに年齢はない。3歳でも80歳でも同じだ。個人的にメリットがあることではなく、ただ自分が気づいたことを納得・実行してもらっただけなのだが、誰かに思いを伝え、それが叶ったときの喜びは、こんなに大きいものなのかと思うと微笑ましい。この喜びを味わうために、人は努力するのかもしれない。