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ただひとりの父親

2008|監督:ルカ・ルチーニ


素晴らしい再生の物語。
愛している(現在進行形)人を事故や病気で失うのと、かつて愛していた人を自分のせいで死なせたかもしれない、という失い方はちょっとニュアンスが違うと思う。この手の喪失感が描かれていること自体がすごく新鮮だったし、興味のあるテーマでもあった。
直接妻を殺した訳ではないが、言葉や雰囲気で相手を傷つけ、既に破綻していた夫婦。だが夫の望みを叶えようとして、妻は命を落としてしまう。そんな成り行きに激しく自分を責める男。優しい両親や楽しい友人に囲まれていても、苦しみは深いのだが、新たな出会い(恋)にも恵まれる。ここからの展開はやや早いような気もしたが、彼の再生を願う身としては、見事な展開だと思った。再生がハッキリと感じきれない、グレーゾーンで終わる映画も多いのに、この見事なハッピーエンドは心から涙。許していないのは亡くなった奥さんではなく、自分だったのかも。自分を許すことは、想像を絶する厳しさだと思う。だからこそ、早い展開で幸せを掴む勇気を出せたことに感動したのだ。

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